キュウリの旅#1
2000 ロンドン ー アイコンギャラリー、バーミンガム、イギリス
キュウリの旅#2
2000 ロンドン ー アイコンギャラリー、バーミンガム、イギリス
キュウリの旅#3
2000 ロンドン ー アイコンギャラリー、バーミンガム、イギリス
キュウリの旅#4
2000 ロンドン ー アイコンギャラリー、バーミンガム、イギリス
ロンドンからバーミンガム、電車で2時間のところを、18世紀に作られた運河をボートで2週間かかって旅行した。そしてこの旅を通してピックルスを作った。
ロンドンを出発する時に生だったキュウリや野菜がバーミンガムに着く頃にはピックルスになった。
このプロジェクトを思いついた時にはピックルスの作り方なんか全然知らなかった自分が、旅を終える頃にはピックルスの作り方をちょっとは知っていて、トマトのピックルスなんかもなかなかなものだ、という自分になった。
ロンドンからバーミンガムへの道のり、出会う人達からいろんなピックルスのレシピを聞いたり、羊や水鳥、水に流れる葉っぱなんかをたくさんゆっくりと眺めた。そしてゆっくりとキュウリがピックルスになっていくのを眺めた。
ボートの操縦を教えてくれて、一緒に旅行したイギリス人の夫婦、ジェフとジーンからいろんな話しを毎日聞いているうちに、僕は少しイギリスについて詳しくなった。ジェフとジーンも「ボートで運河を旅行しながらピックルスを作ることがどうしてアートなんだ?」という感じから「もしかしてアートかもしれない、まあ、アートでもいいじゃないか」という感じになっていた。
ジェフとジーンが毎日、イギリスの料理を食べてみろ!とソーセージやローストビーフなんかを朝、昼、晩と毎日たくさん料理してくれるので、パクパク食べているうちに僕は今だかつてないほどに、太ってしまった。
船の旅とピックルス。「ゆっくりした旅」と「ゆっくりした食べ物」。ゆっくりとじゃないと行けない場所がある。作れないものがある。
バーミンガムに着いて、バーミンガムの人達にピックルスを食べてもらった。ピックルスはいろんな人達の体の中でまたいろんな旅を始める。